日記

もの覚えが悪い=頭が悪い?

 

昨日勉強した事が全く思い出せない…

いくら勉強しても頭に入ってこない…

っていうか、一昨日食べた晩御飯のメニューですら瞬時に思い出せない…

自分はもの覚えが悪すぎて本当に頭が悪くて困ってしまう。

こんな事を考える人が少なくないそうですが、実は多くの場合は頭が悪いのではなく脳科学的には普通であると考えられているようです。

 

多くの場合、脳は様々なデータを無限に記憶できるような気がしてしまいますが、実は脳にも容量があります。

脳の記憶容量を正しく計測する技術がないので、あくまで理論上の計算になりますが一説では約150テラバイト前後と言われています。

日々、研究が進んでいるので常に情報をアップデートしていく必要がありますが、150テラバイトをイメージで表現するとDVD約3万枚分のデータを記憶できる事になります。

当然個人差はありますが、それにしても巨大な記憶容量です。

しかし、私達が日々見て、聞いて、感じている事をデータとして全てそのまま記憶してしまったとしたら?

仮に150テラバイトの記憶容量があったとしても、短期間で容量がいっぱいになってしまいます。

もし、そうなった場合にはどうなるか?

当然、何も記憶できなくなってしまいます。

そういった事が起きないように脳は常に記憶を最適化しており、覚えておく必要がない事は削除してくれているというわけです。

世界的に有名なエビングハウスの忘却曲線によれば、平均的な人は約20分で覚えようとした事の58%しか記憶になく、1時間後には44%に減少。

1ヶ月後には21%しか覚えていないそうです。

記憶力が悪いわけでも頭が悪いわけでもなく人間は仮に一生懸命記憶しようと頑張ったところで、約1ヶ月後には79%も脳から不要な記憶を削除してしまう事になります。

私達にとって重要であるデータと脳の目線でいう重要なデータにはギャップがあります。

脳は生命体として可能な限り長く生き続ける為に必要な事が重要なデータと認識しているので、私達が仕事を円滑に進める為の知識や試験に合格する為の記憶は脳にとっては不必要なデータと判断されてしまうそうです。

逆に脳にとって重要であると判断したデータは仮に1回でも脳が取り出しやすい部分に記憶を格納するという作業も行っているようです。

こういった作業を常に私達の意識とは無関係に行っているという事を知ると、いかに人間の脳が優れているかという事を痛感します。

 

私達は忘れてしまうという事が劣っている事だと誤解しがちですが、実は忘れるという作業は脳の容量や機能の最適化を行うという観点では、とても重要な役割を果たしている事がわかります。

私達は忘れる事はダメな事であり、まるで今日勉強した事は1回で永久に忘れずに瞬時に思い出せるようになる事が理想であると勘違いしてしまいます。

これらの誤解は私達が個々の記憶容量が無限であると誤認している事が原因です。

私達の脳は、この後に来るかも知れない「絶対に覚えておかなければいけない重要な事」がいつ飛んできても良いように、常に準備してくれているわけなんですね。

世の中に無限のものは、ほぼ存在せず人間の記憶容量もまた無限ではないのです。

忘れるという事は脳にとっては非常に重要な事だったんですね。

 

 

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